大阪市都島区の大阪精密入れ歯治療室。BPSと職人技術について。

入れ歯の材料

BPSと職人技術

BPSシステムの限界とそれをサポートする職人技術について説明いたします。

BPSシステムの限界

先日、患者さんに「システム化されたBPSで入れ歯治療をすれば、どんな歯科医師でも同じ結果が出せるとインターネットで見ましたが、本当ですか?」という質問をされました。

実際、そんなことはありえないのですが、それを踏まえた上でBPSの治療の限界について、説明していきます。これは、BPS以外の全ての医療における標準治療・治療のガイドラインについての限界・問題点とも共通しています。

システム化されたBPS治療

確かに、BPSによる総入れ歯治療はシステム化されています。型取りの材料や、かみ合わせの記録の仕方、入れ歯の材料の使い方など、事細かにマニュアルがあり、それに沿って治療すれば良い治療が出来るといった触れ込みです。確かに、BPSの方法は、現在の大学レベルでの入れ歯治療の方法(例えば開口印象によるコンパウンド印象法など)と比べてあいまいさが少なく、そういった点では、歯科医師の技術差が出づらくなるとは思います。

人間の体は機械ではないため個人差が大きく、完全なシステム化は不可能です。

治療をシステム化するときには、人間の体の平均値を使用します。上下の顎の位置関係の平均的な距離・歯の山の平均的な角度・歯のアーチの平均的な並び方などといった具合で、平均値を基準に入れ歯を作ります。但し、平均はあくまで平均であり、例外は山ほどあります。面長な人・えらが張っている人・受け口の人・出っ歯な人など、平均から逸脱するケースはいくらでもあります。その際に、BPSのシステムでは、具体的にマニュアル化されておらず、結局、歯科医師・歯科技工士の裁量によります。

歯科医師の裁量(腕・技術力)が結局は大事です。

歯科医師の裁量が重要で、これをわかりやすく言うと歯科医師の腕・技術力ということになります。

歯科医師の腕・技術力は、個人的には例外やトラブルに関する対処能力であり、それは人体への理解・論理的なものの考え方や今までの経験による知識の積み重ねによると考えます。BPSシステムが良い入れ歯を作るのではなく、BPSシステムが歯科医師や歯科技工士の腕や技術力をサポートすると考える方が良いです。

知識を増やすことによる治療技術の向上

要するに、勉強することによって、治療に対する理解を深め、治療技術を向上させることです。主には、論文や書籍を読むことなどがあります。入れ歯に関するあらゆる知識を持って、BPSのシステムでの例外のパターンの解決策を見つけます。 この方法では、先人が今までに解明した以上のことは得られないということですが、最低限身につけておかなければいけない知識です。

実際の経験から身に着ける治療技術の向上

基本的な知識を得た上で、実際の患者さんを治療し、その患者さんごとに新たに解決策を見つけていくことです。要するに、経験により技術が上がるということですが、この経験は、質を伴った経験が必要です。当たり前ですが、雑に入れ歯を沢山作っても、治療技術は向上しません。自分の中でのベストを尽くした上で解決できない問題を諦めずに何とかして解決することで、歯科医師・歯科技工士の技術力が上がっていきます。

BPSシステムのさらなる質の向上

当院では、かなりの数のBPS義歯を製作してきました。その経験を踏まえて、BPSの治療システムの問題点もわかっているし、それを改良しているため、オリジナルの方法から細かい所を色々と変更して今に至っています。結論は、BPSシステムで入れ歯を製作しても、全ての人に良い入れ歯が出来ることはなく、結局は歯科医師や歯科技工士の裁量(腕・技術力)によって、入れ歯の質は大きく変わります

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