インターネット上の医療機関の口コミは全くあてになりません。
色んなサイトで口コミがあふれています。当院は歯科医院なので、医療機関の口コミについて、全くあてにならない理由を説明いたします。医療機関はその性質上、プラスの口コミは付きづらく、マイナスの口コミばかりついてしまう性質があります。私が知っている真面目に治療している先生のところにも悪い口コミだらけだったり、はっきりいって、全くあてになりません。
インターネット上の口コミについて、あてにならない理由を説明いたします。
色んなサイトで口コミがあふれています。当院は歯科医院なので、医療機関の口コミについて、全くあてにならない理由を説明いたします。医療機関はその性質上、プラスの口コミは付きづらく、マイナスの口コミばかりついてしまう性質があります。私が知っている真面目に治療している先生のところにも悪い口コミだらけだったり、はっきりいって、全くあてになりません。
医療機関は、健康にトラブルがあったときに訪れる場所で、出来れば行きたくない場所です。行ったとしても、しんどい治療が待っています。それに耐えたとしても、病気になる前の状態に完全に戻るわけではありません。
例えば、テーマパークであれば、非日常の楽しい体験が出来るし、飲食店であれば、美味しいものをお腹いっぱい食べられたなど、プラスの感情が発生しやすい場所です。そういった場所とは根本的に違います。
医療機関を受診するときは、病気の症状が辛く、精神的にマイナスの感情が常に発生しています。また、歯科医院であれば、治療自体が痛かった(注射もあります)などのマイナスの感情がどうしても発生しやすいです。また、病気は100%治るものではなく、ある一定確率で治らないものです。精密根管治療(感染根管治療)ですら、成功率は精々70%程度で、逆に言えば3本に1本は失敗するという話になってしまいます。例えば物販などの業種で、3分の1の欠陥品がであるなんてことは中々ないと思います。他の業種と比べると、結果が出ない確率が大幅に高い業種なので、それだけでも、マイナスの感情が発生しやすい場所と言えます。
医療機関の管理者からすると当たり前なのですが、自然に任せると、悪い口コミだらけになってしまうのが普通です。
医療は万能ではないため、適切でベストな処置を行ったとしても、症状がすぐに収まらないことは普通にあります。しかし、患者さんからすると、結果が出ない=処置が不適切だったのではないかと疑念を抱いてしまいます。逆に、処置が不適切だったとしても、病気の症状が自然に短期的に落ち着く(長期的には再発する)といった状況になることもあります。
極端な話、根管治療を全くせずに放置しても、症状は自然とピーク(急性期)から落ち着く(慢性期)ため、治療するふりをするだけで症状を落ち着かせる名医になることは出来ます。そして、適切な治療をしても、治療の刺激で一旦痛くなる(外科手術で皮膚を切って縫ったら術後痛いのと同じ)ことも普通にあるので、症状と治療内容の質は短期的には関係ありません。
処置の内容とその後の症状(長期的な治癒ではなく)はリンクしないため、患者さんが体感として、治療内容の適否を判断するのは、とても困難だと思います。
病気の性質や、処置の内容について、医学的・科学的なな前提知識がないと、中々理解しきれない部分が多いため、誤解が発生しやすく、医師と患者さんの間の溝は中々埋めづらい部分もあると思います。
医療機関がおしゃれできれい・駅から近い・託児所があるなどの単純に誰でもわかりやすいので、良い評判(良い口コミ)が付きやすいかもしれません。しかし、それは治療の質とは全く関係ありません。日本は健康保険制度により、全ての処置が定額です。そのため、治療の質と関係ない所にコストをかけている医療機関は、医療の質と関係ある大事なところにコストをかけられないということになってしまいます。
どうせ患者さんには治療の質なんてわからないと割り切って、わかりやすい所にお金をかけよう。開業時に内装をデザイナーに頼んできれいにして多額の借金がある・駅近1階のアクセスの良いところで家賃が凄く高いなど、大きなコストがかかるので、その分、患者さんに使う材料を安物にしよう・治療の手順を省略して時短して沢山の患者を診ようという風に自然となってしまいます。
インターネットでは、匿名で簡単に口コミがかけてしまうため、内容が真実であるかどうかなど全く保証されません。上記のように、事実に基づいた悲しいすれ違いでのマイナス口コミであればまだしも、事実無根の単なるいたずら・憂さ晴らし・ライバル業者からの嫌がらせなんて普通にあります。いたずらなんてする人いるのかと思われるかもしれませんが、医師は高級であるというイメージがあるため、意外とねたまれて嫌がらせされてしまいます。
最近では、投稿者への身元の開示請求が出来ますので、そういったケースを見てみると、単なる事実無根のいたずらやライバル業者の嫌がらせということは普通にあり、裁判により損害賠償請求されています。
もしかしたら、実際に見られたこともあるかもしれませんが、「★5の良い口コミを書いてくれたら、歯ブラシをプレゼントします。」なんて、誘導することも可能です。自ら、医療機関の口コミをわざわざ書こうなんて人はほとんどいません。食べログではありませんからね。
以前は、業者が有料で良い口コミを書くサービスがありました。一応、こういったステルスマーケティングは、2023年10月1日より景品表示法違反となり違法となりましたが、今でも、良い口コミを増やすお手伝いということで、当院にも営業が来ます。手口はわかりませんが、業者が有償で行って事業が成立するくらいですから、何か法律の抜け穴があるのでしょう。要するに、人為的に良い口コミを増やすことも可能ということです。