CT撮影とは。
従来のX線写真撮影は、一方向から放射線をあてることにより平面的な画像を撮影することが出来ました。CT撮影では、様々な角度から放射線をあて、その情報をコンピュータで処理することにより、コンピュータ上で3次元の立体的な画像の情報を得ることが出来るようになりました。歯科において言えば、歯や骨やそこにある病巣の立体的な画像データを得ることが出来るようになったということです。根管治療は、骨の中の病気の治療であるため、CT撮影は非常に有用です。
当院では、CT撮影を術前術後に行って病巣の治りを評価し、必ず患者さんに確認していただいています。 ご希望であれば、レントゲンデータのデータディスクでのお渡し(有償)も行っておりますので、お気軽にご相談下さい。
現在の歯科用CT撮影における放射線被ばく量は非常に少なく、健康への影響は無視できるレベルですが、気にされる方はご相談下さい。
根管治療を行う上でのCT撮影のメリット
根管治療を行う上で、CT撮影による情報を得るは非常に大きなメリットがあります。
歯や骨の立体的な構造を把握できる
歯や骨は立体的に複雑な構造をしています。CT撮影では、立体的な情報が得られます。例えば、歯の根っこの管の本数や曲がり方まで詳細にわかります。
歯や骨の立体的な構造を把握できる
病巣の位置や立体的な広がりなど、平面的な従来型のX線写真では、把握不可能な情報を沢山得ることが出来ます。従来型のX線写真撮影だと、分厚い骨や周りの組織に邪魔されて、病巣(特に小さなもの)が映らない場合もあり、見落としが増えます。
CT撮影のデメリット
実は、根尖性歯周炎は、歯周病ととても似ている病気です。一般的に歯周病と呼ばれている病気は、専門的に言うと辺縁性歯周炎と言います。根っこの病気も
被ばく線量が従来型のX線写真撮影より多い。(無視できるレベルになってきている。)
X線の被ばく線量は、従来のX線写真撮影より多いです。しかし、最近のデジタルの高感度X線センサーにより、被ばく線量は無視できるほど少なくなています。例えるなら、東京からニューヨークに飛行機で行った場合(片道)に浴びる自然放射線の量と同程度です。放射線の被ばくが怖いから、海外旅行に一切行かないということや、海外旅行に行く人がどんどんガンでなくなるということは普通に考えてないことでしょう。
また、歯科用CTはコーンビームCTと呼ばれる簡易的なCT撮影装置なので、全身用のCTとは全く別物で、被ばく量も少なく済みます。
無駄な撮影は控えるべきですが、必要な撮影であれば、ためらう必要はないと考えます。以下、参考に東京都歯科医師会のパンプレットを引用致します。
画像解像度が従来型デンタルX線写真より低い。
従来型デンタルX線写真より、画像が少し不鮮明です。また、CT撮影では銀歯などの放射線を通さない物質が入っていれば、画像がかなり乱れます。骨の中のことはかなりはっきりわかるのですが、むし歯はわかりづらいです。その点は、従来型のデンタルX線写真撮影を併用し、診断のための情報収集を行います。