歯と歯根膜について。
歯は顎の骨に植わっていますが、骨と歯は直接接触しているわけではなく、歯根膜という柔らかい組織によって、ひっついています。
歯根膜の役目
歯根膜には、以下のような役割があります。
- 歯を骨に固定する。(融通の利く固定)
- 噛んだ時の力の衝撃を和らげるクッションになる。
- 噛み心地といった感覚を感じられる。
- 噛んだ時の力のかかり方を感じ取り、噛み方を整える。
- 噛んだ時の力が過剰になったとき、衝撃を和らげるために筋肉をコントロールする。(開口反射)
- 歯に継続的な力がかかったときに、歯を動かして周りの組織を自動的に再構築する。(自然な歯の移動)
インプラントには歯根膜はありません。
歯根膜は、歯の根っこの表面に固有のもので、インプラントには当然ありません。インプラントは、オッセオインテグレーションという方式で骨と強固に接触しています。歯根膜の役割を果たすものがありません。
そうなると、以下のようなデメリットが出てきます。
- 噛んだときの衝撃を緩和しづらい。
- 噛んだ相手の天然の歯に衝撃が加わりやすい。→歯の破折などにつながります。
- 顎関節などに噛んだ時の衝撃が加わりやすい。→顎関節症につながります。
- 噛み心地がキンキン・カンカンして悪いことがある。→快適性が低い可能性があります。
- 周りの歯が自然に動いても、インプラントはそれに合わせて動かない。→しばらくすると、者が詰まりますくなります。
あくまで、インプラントは固定式の入れ歯であって、歯の変わりは出来ません。高性能な歯を安易に抜かず、残すことがとても大事です。「すぐ抜いてインプラント」からの脱却です。