歯の神経の再生は可能か?論理的に考えてみます。
歯髄(歯の神経)を取った歯の根管内に、歯髄の幹細胞(歯髄の細胞の元になる幼弱な細胞)を入れて、歯髄を復活させるという処置法(歯髄再生療法というそうです)が出来てきているようです。果たして、そんな治療が現実に上手くいくのでしょうか。私の見解としては、まず上手くいかないと考えております。
歯の神経の再生(歯髄)の再生は現段階では不可能です。
歯髄(歯の神経)を取った歯の根管内に、歯髄の幹細胞(歯髄の細胞の元になる幼弱な細胞)を入れて、歯髄を復活させるという処置法(歯髄再生療法というそうです)が出来てきているようです。果たして、そんな治療が現実に上手くいくのでしょうか。私の見解としては、まず上手くいかないと考えております。
歯髄の再生が上手くいかないだろう理由を論理的に説明していきます。論理的にありえないことは治療として成り立つことはありません。
根管内の歯髄の組織を取ってしまえば、そこに細胞も血管も何もなく、免疫が働かない状態になります。歯髄があるうちは、免疫によって基本的には無菌状態なのですが、歯髄がなくなると、細菌感染が必ずおこります。根管治療は、根管内の細菌感染を少なくし、細菌が骨に入ったところで骨の中での免疫が勝てる状態にする治療法です。例えラバーダムをしたところで、絶対に無菌にはなりません。さて、細菌感染しているところに歯髄の幹細胞を入れたところで、幹細胞は細菌感染してすぐに死んでしまいます。
幹細胞は何もせずに勝手に増えるわけではなく、当然、栄養分を元に成長・分化していきます。歯髄をとったあとの根管内には当然血管がないため、幹細胞が育つための栄養分を運んでくることが出来ません。栄養分がないのに、細胞は増えることが出来ません。
例え幹細胞が出来たとしても、切断されてしまった歯髄の神経細胞を再生させないと、当然、正常歯髄として痛みを感じたりすることは出来ません。幹細胞に元からある神経細胞を延長するような魔法のような能力はありません。