大阪市都島区の山下歯科。抜歯の原因について。

診療への思い

抜歯の原因

抜歯になる原因の病気について説明いたします。

抜歯の原因について

抜歯とは、何らかの原因により、歯を抜いてしまうことです。それは、病気が原因でその治療が不可能であったり、または矯正治療のためなど便宜的に抜歯が必要になることなど、理由は様々です。抜歯の原因について、考察してみます。

日本での抜歯の原因

日本での抜歯の原因は、大体以下のようになります。

  • 1位:歯周病 30%前後
  • 2位:むし歯 30%前後
  • 3位:歯の破折 15%前後。
  • その他:親知らず・矯正など

日本の抜歯原因は、60%ほどがむし歯・歯周病の歯の2大疾患です。日本では、むし歯や歯周病は治せない難しい病気だと考えれるでしょう。

欧米先進国での抜歯の原因

欧米先進国での抜歯の原因は、多少の差はあれ、大体以下のようになります。

  • 1位:歯の破折 60%前後
  • 2位:歯周病・むし歯 10%前後
  • その他:親知らず・矯正など

日本とは大きく違い、60%ほどが歯の破折での抜歯となっています。この差をどのように分析すればよいでしょうか。

素直にデータを読み取れば、日本では圧倒的にむし歯・歯周病が治療できていないことになる。

歯の破折は、一部の例外(歯の接着処置など)はあれど、基本的に世界共通で抜歯になってしまいます。歯の破折に関しては、今の医学では完全な予防は不可能で、コントロールが難しいのが現実です。そのため、一定割合で発生するため、例えば、日本の治療だと、とても歯が割れにくいということにはなりません。(歯が割れる前にさっさと抜いてしまっているというバイアスはありえます。)

歯の破折での抜歯の発生率がある程度世界的にそろっていると考えると、相対的に、日本は世界より非常にむし歯・歯周病の治療が未熟で、どんどん歯を抜いてしまうということになります。

それは、当Webサイトでも、色々書いていますが、ラバーダムをしない根管治療や、SRP・歯周外科をしない歯周病治療、早く抜歯してインプラントしたら儲かるといった様々な状況から、データとも整合してしまいます。

日本はまさに歯科医療後進国という評価がふさわしい情けないデータが出てしまっています。

当院での抜歯の原因

うちの患者さんでのデータを正確に出しているわけではないので体感になりますが、以下のような感じになります。

初診で来られた患者さんの場合、重症化してこられることが多いので、どうしても抜歯になるケースがあります。

特に、歯周病が重症化してしまい、歯がグラグラしている状況での初診の受診では、抜かざるを得ない歯が多くなります。

感染根管の場合、歯根膜(歯と骨の接続組織)が少なすぎれば抜歯を勧めることもありますが、ほとんど治療になります。根管治療をして治らない時は、根っこの先で割れている場合が多い印象です。外科処置でフォローする感じになります。抜歯までいくことは短期的にはそんなにありません。

また、歯根破折してから時間が経っているケースは、歯根膜がやられてしまっていることが多いので、抜歯を勧めるケースが多いです。歯根膜が残っていれば、何らかの処置をして残すことが多いです。

当院で一旦治療を完了した後、抜歯になる原因は、圧倒的にやはり歯の破折が多いです。こればかりは、生活習慣の指導などもしますが、コントロールは難しいです。また、重度歯周病の方もメンテナンスをしていても、少しずつやられていく感じです。