歯冠長延長術
むし歯で根っこだけになってしまった歯でも残せる可能性があります。
抜歯といわれた根っこだけになった歯でも、残せるかもしれません。
むし歯や歯が割れてしまったことで、歯ぐきより大分深いところに歯のふちがある状態では、適合性の良いかぶせが作れなかったり、歯ぐきが炎症をおこしたりすることで、非常に寿命が短くなってしまうといわれています。
逆に考えると、歯のふちを歯ぐきより上に持ってくる処置を行えば、しっかり保存可能になってきます。その治療法が、歯冠長延長術(クラウンレングスニング)と矯正的挺出(エキストルージョン)です。
もちろん全ての歯にこれらの治療法が適応できるわけではございませんが、お悩みの方は是非一度ご相談ください。
歯ぐきを下げる歯冠長延長術(クラウンレングスニング)
歯冠長延長術(クラウンレングスニング)は、外科処置により歯ぐきの位置を下げることで、歯のふちを歯ぐきより上に出していく処置のことです。
価格:60,000円
(税別)
根っこを引っ張り出す矯正的挺出(エキストルージョン)
矯正的挺出(エキストルージョン)は、歯をミニ矯正で引っ張りあげて歯自体を移動させ、歯のふちを歯ぐきより上に出していく処置です。
価格:30,000円
(税別)
歯冠長延長術と矯正的挺出の適応症について。
残っている根っこの長さや、骨の状態、横の歯の状態、かみ合わせ、歯の割れ方などの条件により、適応できるか診断する必要があります。
上記、2つの処置ですが、どちらが絶対に良いということではなく、その歯とその歯の周りの状況によって、適応症が決まってきます。どちらかの処置でいける場合もあれば、併用するのが良い場合もあります。
生物学的幅径
生物学的幅径とは、正常な歯ぐきの組織では歯の植わっている骨の頂上から上へ、約2㎜歯と歯ぐきが引っ付く領域が必要なことを言います。むし歯が深くなって、歯と歯ぐきの引っ付いている部分がちぎれてしまうと、深爪のような状態になり、炎症が起こり続けます。爪は伸びるため、いつかは深爪は治りますが、歯は伸びることはないため、 歯冠長延長術により歯ぐきの組織の形を整える必要があります。
フェルール効果
フェルール効果とは、かぶせものを歯の土台にかぶせる際、かぶせものの縁から最低1㎜、出きれば2㎜歯質があれば、歯が割れる確率が下がる効果のことをいいます。むし歯治療や歯周病治療をしっかり行った後、歯を失う原因として歯の破折が最も多いため、歯が割れにくい構造にすることは非常に大切です。
このため、根っこだけになった歯は歯冠長延長術や矯正的挺出により、歯ぐきの上に歯質を作っていく必要があります。