根管治療の重要性について。
むし歯が深くなってしまったら、多くの場合は根管治療を行い、つめもの・かぶせものを作っていきます。
もし、根管治療が失敗して病気が再発してしまった場合、どんなに良いつめもの・かぶせものを入れていても、破壊して外して、 根管治療をやり直さなくてはいけません。さらに、病状が悪ければ、再治療が難しく、抜歯になってしまうかもしれません。
根っこの管の中は、患者さんが実際に目で見て確認することは不可能です。根管治療は、最も患者さんに治療の質がわかりづらい治療のひとつだと考えております。しかし、歯の寿命を伸ばすためには最も大事な基本的な処置なのです。
精密根管治療のキーワード
- 健康保険の制限にとらわれない自由診療での治療。
- 歯を残す可能性を高めるためのあらゆる処置が可能。
- 十分な時間を確保しての治療。
- マイクロスコープ・ラバーダム・CT・ニッケルチタンファイル・MTAセメントなど、現在有用とされている設備や材料の積極的な使用。
健康保険の制限にとらわれない世界標準レベルの精密根管治療。
保険診療と自由診療での違いは、自由診療では、制限なく医療を提供できることであり、国からの材料や治療法、コストの制限を受けている保険診療とは大きく異なります。
- 健康保険診療では抜歯かもしれないと考えている方
- 健康保険診療の根管治療が上手くいかないと考えている方
- 大切なご自身の歯の寿命を少しでも長くしたい方。
上記のように考えていらっしゃる方は、ぜひともご相談いただければと思います。
時間をしっかり確保いたします。
当院では、1回90分で予約を取り、丁寧な処置を十分に行える体制を整えております。(標準的な治療回数は1回から3回程度です。)
後で紹介いたしますラバーダムを歯に装着して、歯の周りをしっかり消毒し、マイクロスコープで細かい部分を確認するためには、どうしても治療時間の確保は大事です。
健康保険では、根管治療での治療費は1回あたり280~460円(根管貼薬)で設定されております。
ラバーダムを使用し、唾液からの感染を防ぎます。
精密根管治療では、根管内に感染させないための無菌的な処置が重要です。ラバーダム処置は、歯とお口の中を隔離することで、唾液からの細菌感染を防ぎます。
また、マイクロスコープ下での治療では視野が狭くなり、どうしても歯以外のところに目が行き届かなくなるため、歯以外を防御できるラバーダムは必須です。
その他、消毒薬や治療器具がお口の中に落ちることも防ぐことが出来る非常に優れた処置です。
マイクロスコープを使用した精密根管治療に対応しています。
治療する上で、患部が見えることは非常に大切です。見えていないむし歯は削れませんし、細い根の中の状況を肉眼で確認することは困難です。
当院では、カールツァイス社のマイクロスコープを使用しておよそ20倍の視野において精密に治療を行います。
これにより、むし歯や汚染物の取り残しを防ぎ、根の中の状況を確認しながら治療することが出来ます。
精密CT撮影により根の形を詳細に把握します。
根管治療を行うにあたり、根の形の把握、病巣の位置や広がりは非常に重要です。精密CT撮影により、従来の平面的なレントゲン写真とは違い、立体的に歯の情報を把握することができます。例えば、根管の数や弯曲の程度、病巣の位置、骨の状態等平面では把握しきれない情報が手に入ります。
CTで得た情報を元に、マイクロスコープを使って実際に精密な治療を実現していきます。
当院では、CT撮影を術前術後に行って病巣の治りを評価し、必ず患者さんに確認していただいています。 ご希望であれば、レントゲンデータのデータディスクでのお渡し(有償)も行っておりますので、お気軽にご相談下さい。
現在の歯科用CT撮影における放射線被ばく量は非常に少なく、健康への影響は無視できるレベルですが、気にされる方はご相談下さい。
むし歯染色液を使って、むし歯を取り残さない治療を行っています。
根管治療を行う際、むし歯を取り残してしまうと、むし歯の細菌が根の1管の中で増殖し、後々、根の病気が再発する原因となります。むし歯を染色するお薬を使用し、徹底的にむし歯を取り除きます。
ニッケルチタンファイルによる根管治療を行っております。
神経の管の中の細菌・汚染物を取り除く方法として、物理的な除去と薬液による消毒があります。
歯の神経の管は、湾曲しています。根管治療の際、一般的なステンレス製の器具を使用すると、硬く弾性が足りないため神経の管の湾曲に沿わず、神経の組織や細菌による汚染物をしっかりと取り除く事が難しいです。
ニッケルチタン合金とは、柔らかく弾性に富んだ素材であるため、根の湾曲に沿ってしなり、神経の組織や汚染物を効率よく取り除く事ができます。
高い消毒効果を得るために、超音波振動の根管治療器を導入しています。
従来は、単に消毒薬を神経の管の中に入れるだけでした。さらに、超音波振動を加えることで、消毒薬を活性化させ、消毒効果を向上させます。
仮づめは、細菌が根の中に入らないように強力な仮づめ材を使用します。
様々な方法で根の中を無菌化したとしても、仮づめが甘く唾液が根の管の中に進入してしまうと、再び根の管は細菌に感染してしまいます。根管治療の過程で、最も重要だといえます。
当院では、グラスアイオノマーセメントと呼ばれる歯への密着度が高いセメントを仮づめとして使用し、さらに多少仮づめが削れてしまっても大丈夫なように最低3mmの厚みを確保して、徹底して細菌の再感染を防ぐようにしています。
穴が開いた歯の穴埋め(パーフォレーションリペア)
パーフォレーションと呼ばれる歯に穴が開いてしまって骨まで貫通している状態になると、保険適用の材料ではその穴を封鎖することが難しいです。MTAセメントと呼ばれる非常に生体親和性の高い材料を用いて穴を封鎖(パーフォレーションリペア)することで、飛躍的に予後が良くなります。
難治性の根の病気は、外科的に取り除きます。(根尖切除術・意図的再植術)
感染性の難治性の根の病気では、根管内部からの治療のみでは、治ってこないことがあります。例えば、根っこの先から外へ細菌感染が大きく広がってしまっている場合などです。その場合は、外科的に根の先の感染源を取り除きます。
※全ての歯に適用できる治療法ではありません。