正しい歯周病治療の流れについて
歯周病治療の各ステップについて、説明をしていきます。
レントゲン検査・歯周ポケット検査
歯周病の状態を把握するために検査を行います。レントゲン撮影と歯周ポケット検査により、歯ぐきの下でどれくらい歯周病が進んでいるか、骨の吸収の部位と度合いを把握します。
検査は治療の段階が進むごとに繰り返し行い、治療前と比較して現状を再評価します。
歯周ポケット検査
歯周ポケット検査とは、右図のようにメモリのついた器具を使って、歯と歯ぐきの間のみぞの深さを測る検査です。歯と歯ぐきが正常に結合しているとみぞの深さは2〜3mmしかありませんが、歯周病により歯を支える歯ぐきや骨の組織が破壊されているとみぞが深くなってしまいます。
歯周病の患者さんに関しましては、1本の歯の周りの6点の歯周ポケット深さを記録する歯周精密検査を行っています。
TBI(歯磨き指導)
歯科医療関係者、患者さんサイドから共に軽視されがちですが、最も重要なのが歯磨きです。
歯周病の原因であるプラークは食事を摂るごとにどんどん増殖していきます。歯科医院に来たときだけプラークを除去しても、プラークの増殖速度には追いつきません。
患者さんご自身での歯磨きにより、歯周病の原因である細菌が激減します。それが最も効果的な歯周病の治療法です。
歯科医師・歯科衛生士が担当いたしまして、患者さんの歯磨きの習慣づけ・テクニック向上のお手伝いを致します。
スケーリング
口の中の細菌の死骸が唾液の成分と結合して石灰化すると、歯石になります。歯石は表面がざらざらしているため、表面にプラークが付きやすく除去する必要がありますが、硬すぎて歯ブラシでは取れません。
そこで、超音波スケーラーという道具で、歯の表面についている歯石を落としていきます。
SRP(スケーリングルートプレーニング)
歯周病が進行すると、歯ぐきの中の方まで歯石が食い込みます。超音波スケーラーのみで全ての歯石を除去することは難しいです。
グレーシーキュレットと呼ばれる器具を使い、歯ぐきの深い所にたまった歯石を丁寧に除去します。
歯周外科処置
歯ぐきの深いところにたまった歯石は目で見て確認できません。SRPでは、見えない歯石を手探りで取っているため、全ての歯石を取りきる事は難しいです。
麻酔をして歯ぐきを開き、残っている歯石を直接目で見て確認しながら確実に取っていきます。同時に、歯ぐきや骨の形を歯磨きしやすい状態に整えて、再発を予防します。
SPT(歯周病安定期治療)
上記の歯周病治療が一通り終了し、歯周病の症状が落ち着いたとしても、細菌がお口の中からいなくなるわけではありません。
日ごろのケアを大事にし、定期的に歯科医院でチェックを受けて頂き、よい状態を保つようにしていきましょう。